この「翻訳者が見た世界の半導体技術」シリーズでは、弊社の半導体翻訳担当スタッフが読んだ最新の半導体技術に関するニュースや記事、論文を短く要約してお届けしています。翻訳するうえで欠かせない専門知識の拡充や調べ物、最新トレンドのキャッチアップなどを目的に、主に海外の英語情報を収集したものですが、半導体ビジネスにかかわるあらゆる皆さまに役立つものになれば幸いです。

 

半導体の微細化は続き、2030年には「オングストローム」世代へ

少し前の記事ですが、日経クロステックより、半導体(ICチップ)の微細化に関する話題。現行では最小寸法「2nm=2*10^-9m」世代とされているものの、今後10年で「オングストローム(Å)=10^-10m」にまで微細化するというお話です。
サブナノと言わず(割りとニッチな)オングストロームという単位を使った理由について、2nm、1.5nm、1nmと表現するよりも、20Å、15Å、10Åと表現した方が、微細化が進んでいるとアピールしやすくなるという半導体業界の思惑があると書かれています。

 

 

 

人間の脳構造を模した半導体技術の開発に成功

TechXploreさんより、人間の脳構造を模した半導体技術の開発に成功(への一歩を踏み出)したというお話。

  1. 現在主流のノイマン型半導体ではメモリ(記憶装置)と処理装置が別
  2. 人間の脳のように記憶も処理もできる型であれば、エネルギー効率と処理能力を両立できる(ニューロモルフィック・エンジニアリング
  3. 研究チームは、シナプス電界効果トランジスタにより神経と同様に複数レベルのデータを記録できるデバイスを開発

 

 

 

半導体の役割と製造プロセス、人材事情

Forbesの半導体解説記事です。半導体の役割と製造プロセス、人材事情がざっくりとまとめられています。ビジネスの現場で半導体に触れるなら、こういった英語に慣れておくと良さそうです。……なお、半導体業界は人手不足でデジタル改革の真っ最中のため、高校卒業の資格(high school diploma)で初任給7万ドル以上とのこと。

 

 

 

半導体の仕組み、用途、ムーアの法則などをざっくり解説

ExtremeTechさんに”What Are Semiconductors, and What Are They Made Of?”なる記事がありました。
ビジネス的な文脈では「半導体=集積回路」として語られがちですが、字義通りの「半導体」について、基本的な仕組みから現在の用途、あの有名なムーアの法則に至るまでざっくり解説されています。
弊社の半導体担当ではない社員も、基礎的な知識を身に付けるために読みました。