今年も早いもので半分が過ぎました。私がこの時期になると思い出すことについて、少し書いてみようと思います。

それは10年近く前のこと。梅雨の合間のよく晴れた日でした。夕方、体がだるいなと思い熱を測れば38度近く。その日朝から随分暑いなと思っていたのは、自分が発熱していたせいでした。「風邪引いたかな。(市販の)風邪薬飲んで早めに寝て、明日になっても下がらなかったら病院に行こう」と思いながら早めに就寝。そして、私の記憶にあるのはここまで。次に目覚めたのは病院のベッドの上、4日程経っていました。そう、寝ている間に救急車で運ばれていたのです。

ここからは後で家族から散々聞かされた話になります。たまたま一時的に実家で生活していた時期で、夜中に様子を見に来た母が私の意識がないことに気付き119番に連絡。救急車は来たものの、受け入れ先がなかなか見つからないまま1時間経過。ようやく幸い実家から目と鼻の先にある三次救急の病院が受け入れてくれることになり、その病院のICUに搬送されました。

目を覚ましたときには既に容態は落ち着きICUから出ていました。私自身は、救急車やICUでの記憶はもちろん、一番苦しかったであろうと思われるときの記憶もありません。結局、風邪だと思ったのは実は肺炎で、何らかの理由で急激に悪化したのではないかというのが病院の先生の見解。ICUでの治療により肺炎の症状が消えつつあったため、原因は最後までわからずじまいでした。目覚めた時点では自力で起き上がることすらできませんでしたが、病院の方々のおかげで比較的回復も早く、3週間ほどで退院することができました。

あれから随分時間も経ち、自分の環境も大きく変わり、振り返る機会は少なくなりました。それでも今年は、何かにつけて思い出すことが増えたような気がします。やはり「寝ている間に死にかけた」というのは実感がなくても心のどこかで引っかかっているのかもしれません。とりとめもなく書いてしまいましたが、「人はいつ何が起こるかわからない」という話でした。いろいろなことに慎重になりがちな今日この頃ですが、気に病みすぎず過ごしたいものです。