「逃げるわけじゃない。戦略的撤退さ」(庶務課、光留)
そう言うと、高校生の私は数学の勉強から「撤退」し、英、国の2科目だけで大学受験に挑んだのです。結果は成功。英、国、数の3科目受験のはずなのに、無事第一志望校の合格を勝ち取ったのでした。数学は大問1の(1)しかできませんでしたが。
しかし、それからの私がことあるごとに数学の本を買ってきていたのは、そして、今でも高校数学の教科書を捨てられずにいるのは。当時の思いが決してウソではなかったことの現れなのではないかと思うのです。つまり、今は勝てないけれども将来は勝ってみせる、と。数学は私にとって、いつまでも越えるべき大いなる壁なのかもしれません。
もっとも、数学よりも面白いと感じる学問があったり、はたまたもっと急を要するものに時間を割かなければならなくなったりで、その歩みたるや遅々としたもので(むしろ、ほとんど進んでおらぬと言っても差し支えないレベルで)あるわけですが。
で、このたびも性懲りもなく、です。
最近ちょっと興味が湧いてきている経済学に絡めて買ってきました。物事が続かないときは、戦略を変えましょう。必要性を強く感じられるように。実生活や、自分の身につけたいものとの結びつきを見つけるように。そんな感じです。
1)『経済学のための数学入門』は、「入門」という言葉を信じたら痛い目に遭ってしまい、まだ全部読めていません。ただ、第一章がモチベーションをグンと高めてくれました。最終的には、これをぜひとも理解したいところです。
2)『数学史』。こちらは読了。各単元が生まれた必然性、必要性といった点を理解するのに役立つかなと思ったのですが、「この時代にこういうものがありました/できました」程度の内容が多く、ちょっと期待はずれな印象です。これなら、技術評論社の『基礎の数学』のほうがよかった。
3)『経済学で出る数学』は、これこそ今の私が求めている本だ、という感じです。数学の各単元がそれぞれ計算や式変形にとどまらず、具体的に経済学のどういう局面で役立ってくるのかについて、きちんと説明しようとする心意気を感じます。しばらくはこれを使ってレベル上げに勤しむ作戦です。
ところで、上で「捨てられずにいる」と書いた数学の教科書ですが、開いてみたところ。
ペアノが急にひげを剃っていたり、
フーリエがリーゼントになっていたりしていました。
これでは、偏差値も伸びぬというものです。