既に少しTwitterに書きましたが、先日こんなセミナーを半クローズドで開催しました。”読むための受験英語A 「かたまり」と「品詞」で英文を読み解く”です。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
一昨日、事後配布資料の送付を終え、アンケート結果も確認しました。全体的に好意的な感想の方が多く、心底ホッとしている次第です。営利企業の中の人としては、どれだけ人が集まったかを気にすれば十分なのかもしれません。が、講師を務める側としては、受講された方に満足いただけたかどうかの方がずっと気になっていましたので、まずは一安心といったところです。本当は「実力の向上に寄与する」ことが理想で、そういう目標の下に作っているんですが、こればっかりは測りようがないのが残念。無事、一般向けの開催も決まったようですので、ご興味のある方は弊社Twitter・Facebook等をご確認ください。日程は決まり次第お知らせいたします。
今回は、このセミナーに関して、告知その他の公式な情報で語れそうもないお話を少しさせていただこうと思います。
今回のセミナーは、英日翻訳の「英語力」の部分をテーマとしたものでした。英日翻訳で「英語力」というのをどのような位置づけで考えるかは、以前こちらの記事でも少し触れました。英日翻訳は、原文を理解するという段階と、訳文を構築する段階とがあります。いわゆる「英語力」は、この2段階のうち「原文を理解する段階」の方に関わってくるものです。
しかし、考えてみると、一口に「英語力」といっても、読む書く聞く話すの全技能が均等に必要になるわけではありません。英日翻訳で特に重要になのは「読む」技能です。残る3つの技能は「あっても無駄にはならないけれど、数あるもののなかから優先的に勉強するほどではない」という感じがします。もちろん、「読む」以外の3技能についてもあるに越したことはありませんが、「英日翻訳を前提として英語力を強化したい」ということであれば、「読む」技能に取り組むのが一番の近道なのではないかと、私は常々考えていたわけです。
それで、「読む技能」はどうやって強化したらよいのか? 実は、このテーマに関しては偉大な先達が既に存在します。いわゆる(大学)受験英語です。もっと言うと、そのなかでも「英文解釈」と呼ばれる分野です。
実は弊社でも、新たに採用した従業員に英語力の強化が課題であると判断した場合には、その手の分野の書籍を推薦することがあります。でも、独学って意外と難しい。1年であるとか、じっくり時間とお金をかけて大学受験の予備校に通えればそれが一番なんでしょうけれど、そこまでの遠回りができる状況に恵まれる人ばかりでもなし。とはいえ、独学は取っ掛かりが少なすぎる。そういう人を念頭に、「読む」という部分を重点的に取り扱った研修ができないだろうか。そういう話から始まったのが今回のセミナーでした。ですから少なくとも、このセミナーのトピックを構成し、プレゼンの大部分を作成した私の頭にあったのは、「社内研修のために優れた資料を作ろう」という思いでした。外部への提供は、やれたらやろうくらいの心持ちでしかなかった。「セミナーとして収入源にできるかもしれませんよ」とは確かに言った。言ったのですが、それは勤務時間を使う許可を取るための方便的意味合いの方が大きかった!
…はい。正直に申し上げますと、実は、ここまでの話になるとは思ってもおらなんだのです。私は自らの小賢しい振る舞いの責任を取り、みなさまの前で話をしておったのでございます。
ただ、内容そのものは「半径数メートルの誰か」のために作りました。その「誰か」が「実力を高めるにはどうしたらいいだろうか」という点を、私なりにたくさん考えました。ですから、事前配布資料・事後配布資料も含め、いい加減なものにしたつもりは一切ありません。そもそもが、商売っ気が先にくるような経緯で始まったものではないのです。
お聞き苦しいところもあったかもしれません。当たり前すぎて退屈だったという方もいらっしゃったことでしょう。内容はもちろん、プレゼンスキルや告知のあり方に至るまで、引き続き精査・改善を進めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。